ボディショップよどこへ行く
私と「ボディショップ」の付き合いは、表参道に一号店ができた当時に遡る。
表立って、「動物実験をしていない」事を掲げた、私にとって最初の化粧品メーカーだ。
当時はカラフルな櫛やボディタオルに、動物のプリントが入っていた。
色とりどりの石けんは、「絶滅の危機に晒されている」動物の形をしていた。私は一つずつ買い集めるのが楽しかった。
シャンプーとコンディショナーは、使い切った容器を店に持って行くと、大きなボトルから詰め替えてくれた。バナナのシャンプーが大好きだった私は、何度でも持って行った。
容器のリユース(イギリスでは化粧水なども詰め替えてくれていた)は、当時画期的だった。
商品の数は少なかったけど、全てを覚えられるぐらい、私はボディショップを愛した。
10代の私は、何時間でも、店の中で過ごした。
経営がどうなったか知らない。日本のボディショップはイオンのグループ会社がフランチャイズするようになった。
小奇麗なボディローションが並ぶ店になった。
シンプルさが売りのメイク用品は、パッケージが少しお洒落になり、値段がとても上がった。
昨日、久しぶりにボディショップに行って、シャンプーを買った。
今、日本のほとんどのメーカーが、売れ筋のシャンプーの詰め替え用を販売している。化粧水やクリームですら、詰め替え用が売られている。
日本のボディショップはずっと前から、シャンプーの詰め替えを止めたままだ。
使い終わった容器をカウンターに返していたら、店員に言われた。
「まだ残っている空き容器があったら、持って来て下さいね。空き容器の回収、もうじき終わりになるんです」
日本に上陸したばかりの頃、容器のリユースが「売り」のひとつだった。容器をリユースする分、少しでも価格を下げると言っていた。
そんな所が好きだった。
今、ボディショップの店内にいても、昔のようなワクワクする気持ちはない。
2006年に、ボディショップそのものが「動物実験している」と言われるロレアルに買収された。
その翌年、創設者であった、アニータ・ロディックは若くして亡くなった。
動物実験に反対。容器をリユースして、その分価格に反映する。コミュニティトレードを行う。
それはアニータが聞かせてくれたおとぎ話だったのだろうか。
他メーカーが真似し始め、差別化が難しくなり、売り上げが低迷している事は容易に想像がつく。ボディショップはもはや、右肩上がりの企業ではない。
今でも、ボディショップは、売り上げの一部を動物保護団体に寄付している。原料の1%未満と言われているが、コミュニティートレードも止めてはいない。
私がボディショップの商品を買い続ける理由は、もう、それだけになってしまった。
| コメント (0)



最近のコメント