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池袋ウエストゲートパーク

初石田衣良は、「美丘」だった。

見慣れた渋谷の街を包む
霧雨のように優しく濡れた文章。

中味は過激なのに、ファッション雑誌のコラムのような見事にオシャレな描写。

最近の私は、海堂尊にはまり。
文庫本ほぼ読みつくしたので(テレビを観ない私に、バチスタシリーズのドラマの話を振っても無駄ですよ)
東野圭吾(読み尽くしてしまう不安がない稀有な作家のひとり)を片手に過ごしている。

が、なんとなく疲れていたのか、
あの暖かい孤独が恋しくなり、
「娼年」を読んだら一気にハマり、
「逝年」にも勿論ハマる。

自分自身はマイノリティじゃないくせに、
いつもいつも、社会から孤立しそうな人の隣に座ろうとする主人公達。
お坊ちゃん大学に在籍しつつ、カテゴライズされるのは避け、ボーダーレスな闇の中を器用に進む主人公。
それもきっと石田衣良の分身。

テレビで数秒観た石田衣良。
統合失調症の芸術家と知人の様子だった。

なんだかこの人が立とうとする位置は、私が普段無意識に立とうとする位置と近い。
天下の直木賞作家に失礼だとは思うが、こういうのシンクロニシティ。
気になる。

むつがちょっと前に言っていた。
「その作家を知りたかったら、最初に世に出てきたものを読め。
 それが一番言いたかった事だから」

の、セオリーに従い、池袋ウエストゲートパーク読む。
驚いた。
凄いこのシリーズ続いてんのね。
これかよ「言いたかったこと」。何作書き続けても足りないぐらい。

主人公は言う。
「おれにしか書けないこと」。
悔しいけど、むつはいつも正しい。

西原理恵子の「毎日かあさん」人気の秘密を知りたかったら、
「ぼくんち」は絶対読んどけの法則だ。

石田衣良の出世作。
主人公はマイノリティの隣に座る、品のいい青年ではない。

1980年代。
ガキがヤバかったのは、渋谷。

1990年代半ばから。
アンダーグラウンドなものは、渋谷、新宿と北上し、池袋が一番ヤバい街になった。
薬を打たれた少女がマンションに監禁され、ビデオを撮られたりなんてのは当時池袋周辺でさして珍しくもない出来事。

私は口の端で笑っていた。
当時の池袋西口から北口にかけての匂い。
アキバの匂い。
私はただたまの休みにうろついていただけ。

その頃の池袋の匂いを知っている作家。
いや取材したんだろ。そうだろうけど。

馳星周が新宿を書き切った謎とともに、詮索しないでおく。

出てくる曲のタイトルはクラシックの連打なのに、お腹にははっきりと、ヒップホップの重低音が響いてくる。
もういいおっさんなのに、この人の感性は凄いなぁ。
どんな暴れん坊飼ってるんだろ。心の中に。

で、続きを注文しました。
また睡眠不足に注意だな。

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コメント

むつさんインテリジェントなんですね。

ナショナルライブラリーに日本の新しい本あるかな?
読書はテレビ鑑賞とともに数年前にパッタリ止めてしまったけど、時々寝る前に本読みたくなります。

鋭い感性、そしてポンポンと読み進ませる文章力、そういのも芸術的才能の一種なんですかね。芸術家って紙一重よね。
(そんなのベッドに持ってったら目が冴えちゃいますな)

投稿: May | 2011年9月14日 (水) 13時16分

Mayさん。
むつは活字は余り読まないくせに、的を得た事を言うんですよね(文学に限らず)。
Amazonとかだと、和書も手に入らないかしら。

キャンベラは大きな街だから、日本の書店があったりしないかなあ。

投稿: ゆい | 2011年9月14日 (水) 13時41分

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